A.こちらも良く聞かれる質問の一つです。
有名なのは「モニュメント・ブルー」紀元前4千年前の石板でビールに関して記載されていると言われている物です、紀元前ですから今現在の国は何処も当てはまりません、更に最近ではそれよりも古い地層でビールを作っていたであろう壺が中国で見つかっています。そこからも未だに何処で始まったのかは未解決のままなのです。
よく日本の方は今現在の日本を基盤に物事を話しますが、
ことビールに関してはユーラシア大陸が基盤であり、日本は基盤にないことは事実です。
「ヨーロッパではビールは常温」と言われますが、常温ではなく地下室の温度が正解です。
大昔は冷やすと言えば「氷」が主流で、冷蔵庫は存在しません。
氷も山から切って持ってくるとても高級なものでした、通常には使えません。
食物などの保存には、いくらか外気より温度が低い地下室での保存が普通です。
15~18度くらいです、赤ワインなども適温はこれくらいだと言われてます、それも昔からワインの貯蔵には地下室が利用されていたから、その温度で美味しく飲めるように作られた、と言うのが正しいですね。
ビールも同様です。冷たくないと飲めないビールはもはやビールではないのではないか?と考えてもおかしくないと思います。
A.そうですね、よく聞きます。
しかし日本の大手が作っているビールは1842年チェコの醸造所で作られたボヘミアンピルスナーが始まり。
つまり176年ほど前に作られた比較的最近のビールです。
ボヘミアンガラスの透き通ったグラスに入れることによりビールの金色が素晴らしい輝きに見えたことで
ヨーロッパに広まったビール。
そして、時間はかかるけど一度の醸造で大量に作れること、手間を削り、材料を削ることで薄くなるけど安価に作れること、様々な要因から世界中に広まったビールが国産大手が作っているビールです。
(ボヘミアンピルスナーは手間もかかるし材料もかかる、安価には作れないビールです)
日本にビールが来たのは江戸時代、エールの方が先に日本へ来ましたが全国へ広がったのはラガー(ピルスナー)だった。そんな流れのおかげで日本で「ビール」と言うとピルスナー(ラガー)が染みついてしまった。
もしエールが広まっていれば面白かったのですが、日本は軟水の国!ピルスナーが作られたのは必然なのでしょう。
A.まず「バーレー」ではなく「バーレイ」ですね、まぁバーレーって聞こえますが。Barley=大麦です。
「大麦のワイン」なのですが正確には「大麦でワインを目指したビール」です。
ワイン用のブドウが育たないイギリスが発祥と言われています。フランスに対するイギリスの嫉妬のようなものから生まれたビールで、度数がワインに近く、ワインのように長期の熟成が可能等、出来るだけワインのようになるビールを作った結果そのように呼ばれることになりました。ワインではなくビールです。
大抵は数種類の大麦を通常の数倍から数十倍使っており、上面発酵、長期間の熟成を経て作られます、木樽に入れ年単位で熟成するものもあり、生産数が少なく、流通量も少ないのが普通です。
日本では土地が狭い、材料が高い等で1本あたりの生産コストが以上に高くなってしまうためあまり生産されていません。新聞などのメディアでは「長期間熟成可能なビール」とか「5年間熟成出来る麦のワイン」などと言われていますが、ベルギーの高アルコールビールは軒並み年単位での熟成が可能です。
A.そうですね、何故かクラフトビールを提供するお店は泡が少なめですね。泡はビールそのものが変化した姿です、時間がたてば泡は消え液体に戻ります。多くのクラフトビール店は空冷式でビールを提供しています、空冷式の場合ガス圧が低く液体に対しての強制カーボネーションのガスの分量が少ないために泡立ちにくい、と言うのが理由の一つではないかと思います。
もう一つは「エールは泡無し」と言うのが勘違いの原因ではないかと思っています。エールで有名なのはイギリスとベルギーです、イギリスで昔から使われているハンドポンプ(汲み上げ式)ですが、これは地下室にビール木樽を置き、その中から1階へ汲み上げる方式です、これはナチュラルカーボネーションの炭酸しか発生せず生産段階で多くの炭酸が抜けてしまっています、すると汲み上げた時に泡が発生することは殆どありません。日本のクラフトビールの世界で一昔前に流行したのがリアルエールです、日本での認識は「強制カーボネーションをせずにハンドポンプでグラスに注ぐ」と言うものでした。
また、ダッチスタイルと言う言葉があり「泡無し」を意味しています、ドイツのスタイルを多く作る日本のクラフトビール会社が多い事でダッチスタイルを啓蒙している人たちもいます。
これら多くの事柄が絡み合い、どうしてそうなったのか
クラフトビール店ではなるべく泡少なめが多くなりました。
また「雑味」と言う言葉にも語弊があると思います、「広辞苑」には雑味と言う言葉は載っていません。いくつかの辞書に載っていますが載っている辞書の方が少ないくらいです。その少数の辞書では「飲食物で本来の味を損なう不純物の味」となっています、と言う事はクラフトビールには不純物が混じっていると言う解釈になります。
日本では古くから日本酒が作られていますが日本酒の世界では「雑味が無くキレてる」とか「雑味が無く口当たりがよい」と「雑味が無い」=「良い日本酒」という使用方法をしています。
これがビールにも影響を及ぼしており、大手ビール会社が使っている広告代理店は日本酒用の表現をビールに当てはめて使用することが多かったため「キレ」がある=雑味が無いと言う固定概念を日本人に植え付けたのも原因の一つだと考えます。
A.はい、パンです。その証拠にアルコールの中で唯一胃で消化されます、だからこそビールはお腹にたまるのです。
だからこそ水分ではないのです。だからこそ程々にしないと食べ過ぎになってしまうのです。
これは嘘でもなんでもなく、医学的に証明されています。
考えてみれば麦を使って発酵時に水分を使う、発酵時に水分を使わない、大きく言ってそのぐらいの違いしかないのですから。
紀元前のパンはあっという間に硬くなってしまい硬すぎで食べれないほどでした、硬くなったパンを砕き水と共に鍋に入れ煮る、これが本格的な始まりです。煮たものが空気中の酵母や微生物、菌によって発酵しアルコールが発生した。
なので、パンの煮物です。
A.瓶内二次発酵を行っているからです
以前日本で発売された「チルドビール」あれは酵母入りでしたね、しかし瓶内二次発酵ビールではありません。
ベルギーのビールの多くは瓶詰めする段階で、製造とは別に糖分と酵母をいれます、その酵母は製造段階で使った疲れ切った酵母ではなく、休ませて元気になった酵母です。そうすることによって瓶内二次発酵が進むのです。
これが日本のチルドビールのように疲れ切った製造段階の酵母をそのまま入れると過労働で酵母は弱体してしまいます、弱体した酵母の為に賞味期限が恐ろしく短くなっています。
ではベルギービール全てが瓶内二次発酵をしているのか?というとそうではありません、ダーク系でアルコール度数 が高いものに多く、それらが熟成に向いているビールです。
ゴールド系のビールはその色彩を保つために酵母を入れていない物が多いです。
しかし、瓶内二次発酵をしていなくても熟成は出来ます、しかし驚くほどの変化はなく、驚くほどおいしくなることはありません。また多くのビールはリーファコンテナを使わず運んでいるため、熟成に耐えられず劣化してしまうもののほうが多いです。
これはヨーロッパのビールに言えることですが、冷蔵コンテナを使っていないビールを熟成しても美味しくはなりま せん、これはドライコンテナで運んだため熱による劣化があり日本に到着した段階でビールが駄目になっているから です、また中に入っている酵母も死滅しているので瓶内二次発酵もしていません。
A.まず、コンテナ内温度です
このコンテナ内温度は輸入する側が指定できます、アメリカやドイツからラガー系のビールを輸入する人は凡そ5℃設定にする人が多いです、それはラガー系の製造方法が約10度以下で貯蔵熟成するものだからです。
ベルギーやイタリア、イギリスからエールを輸入する場合は本来なら15℃設定ぐらいで良いのですが、ラガー系も一緒に輸入する会社が多く5℃設定にする会社がほとんどです。
ドライコンテナは温度調整が付いておらず例えば赤道直下では内部温度が80度近くまで上がってしまうのがドライコンテナです。人間がずっと80度の中に居ればどうなってしまうか考えてください、お酒も生き物なので同じようになってしまいます。
次にコンテナに入る量が違います、リーファコンテナは冷蔵の為に器械が設置されておりコンテナ内が狭いです、ドライコンテナに比べ86%しか荷物が入りません。
次にに価格が大きく違います。ドライに比べるとリーファは数倍に膨れます。
次に日本に到着してから引き取るまでの猶予期間が違います。ドライコンテナは7日間まで無料で保管してくれますが、リーファコンテナはコンセントの数に限りがあるため3日しか無料保管はしてくれません(若干会社によって違いますが
)、ちょっと書類の不備で引取りが遅くなると・・・・追加料金がかかります、それもコンセントを使っているので高いのです。
A.エールとラガーの違い
よく言われるのは上面発酵がエールで下面発酵がラガーであると言う事、
ですが、それ以外にも大きな違いが存在します。
それが、発酵温度です。エールは約15℃~20℃で発酵させます、それに対してラガーは10℃以下で発酵させます、これは軟水と硬水の違いにも関係があります。ラガーはドイツから始まります、バイエルン地方は軟水の地方でエール用の酵母では酵母が上手く活動してくれない、しかしどうにかしてビールを作りたい!その思いが軟水でも低温にすれば上手く活動してくれる酵母の発見につながったのです。
これにより硬水はエールに向いており、軟水はラガーに向いていると言われることとなります。
これらは、保管温度にも影響してきます。
ビールは元々「光」と「熱」に弱いのですが、ラガーはエールよりも更に「熱」に弱いのです。
ですので、日本の大手ラガービールは冷蔵庫で保管、エール系のビールは野菜室、もしくはワインセラーでの保管をお勧めします。
A.いえ違います。
ベルギーでも一番多く消費されているのはラガーのピルスナータイプです。何と言っても価格が安い!セールの時なんかは500ml缶が1本60~70円ですから。
でも、あのような様々なビールが多く飲まれているのには理由があります。
これはベルギーに限らずヨーロッパ全体に言えることですが、
「本当に美味しいものが食べたい(飲みたい)なら専門店に行く」という風習がずっと残っています。
例えばエスプレッソやカフェ・ラ・テ、本来のマシンと家庭用のマシンでは性能が違います、またバリスタと呼ばれるコーヒー職人が本来のマシンで入れるエスプレッソは家庭用のマシンで入れるエスプレッソでは天と地ほどの味わいの違いがあります、それが約1ユーロ(130円)ほどで飲めるのですから。
ビールに関してもそうです、家ではラガーのピルスナーですが美味しい物を飲みたいときは専門店に行きビールの専門家が専用のグラスに入れてくれたものを飲むのです。
これはなかなかやる人がいないと思いますが、同じタイミングで同じビールを違う人間が専用のグラスに注いだとします、同じビールを同じグラスに注いだのだから同じ味だろうと思うのが普通ですが、これを3人でやってもらい飲み比べると実は3者3様の味わいが出ます。
当然、素人が入れたものとバイトではない本当の職人が入れたものではかなりの違いが出ます。
素人の方はとりあえずグラスに注ぎますが、本当のプロはビールの種類によって注ぎ方を変えます、これはそれぞれのビールを本当の意味で知らないと出来ない技術なのです。
若干話がそれましたが、彼らの生活の基盤には必ずビールがあります、
ピルスナータイプは5%・500mlで1本70円、エールタイプは6%~13%・330mlで1本100~400円、
お店で飲むなら更に倍の価格、
出来るならば美味しいビールが飲みたいピルスナータイプをごくごく飲むより度数が高くじっくり飲めるものをゆっくり味わいながら。
本当に美味しい物を知っているからこそ、あのようなビールたちが大量に作られています。
A.そうです!ベルギービールには大昔から「artisanal」と言う言葉がラベルに記載されています。
この「artisanal」はフランス語で意味は「クラフト(職人技)」です。
ベルギーのビールは大昔から地ビールでありクラフトビールです。
A.厳密にいうと違います、正確には
「ベルギービールの文化」そのものが「世界無形文化遺産」です。
A.注ぎ口の一つです。聞いたことがあるかもしれませんが英語ではFaucetと言います、この注ぎ口にはさまざまな種類がありますが、NitroはGUINNESSビール等イギリス・アイルランド系のビールで使用されているものです、構造的な大きな特徴として出口の手前に金属の蓋がされています、その蓋にはミリ以下の小さな穴がいくつか空いており、そのミリ以下の穴をビールが通り出てきます。当然ガスもその穴を通ってくるのですが、ミリ以下の穴を通ることによってミリ以下の気泡となります、なのでNitroで注ぐビールはとてもクリーミーになるのです。
またNitro Faucet(正確にはStout beer faucet)では窒素ガスを使うことが多いです、発泡感が無く炭酸に比べると酸化も緩やかです。
A.
A.
A.輸出用に開発された使い捨ての樽。使い捨て樽の無かった時代は輸入し販売し中身の提供が終わった後、飲食店から回収、コンテナ一つ分まで空樽を保管、溜まった後に本国へ返送。チャージされていた樽代金が返金もしくは次の輸入の代金から差し引きされる。返送運賃はドライコンテナなのでそこまでは高くありません、むしろ国内の回収にかかる費用そして1コンテナ分の空樽が集まるのは何時になるかが問題です、長くかかれば長くかかるほど保管料は大きくなってゆきます。ステンレス樽の欠点です。
Keykegは使い捨てですので空樽を回収する手間もなく、本国へ返送することもありません、その代わり最後に捨ててしまうために樽の金額がビール代金に上乗せされます。その為ビール代金が高くなってしまう、というのと取り扱いに新しい知識が必要な事がkeykegの欠点です。
いままで使われていたステンレス樽以外に現在では多くのビール樽が存在します。
Pubkeg/Dolium/Petainer/unikeg/Kegsaurus/Ecodraft/Expodraft/そして日本産MAYKEG
これらは素材・使い捨てorリユース・強制カーボネーションorナチュラルカーボネーション、これらの3つの違いがあります。私は最近発売された国産のMAYKEG以外は全て利用したことがありますが、現状はスリムタイプのKeykegがBestだと思っています。
A.はい、Keykegは外側のペットボトル部分と内側の袋の隙間にガスを入れ、袋をガスの圧力で潰すことにより中に入っているビールを排出する方式です。
なので、ビールとガスは接触せず酸化しません。
しかし、ビールから発生する炭酸の圧力より袋を潰す圧力が低いとビールより発生した炭酸により酸化します。
また、洗浄のため使用途中の樽からディスペンスヘッドを外すタイミングで空気が入ってしまうことがあります、
その為に酸化してしまうことがあります。
実を言えば隙間に入れるのはガスでなくても大丈夫です、空気圧でも問題はありません。
A.keykegは袋を押しつぶして上から排出するシステムです、当然ビールですので上の方に泡や気泡が溜まります、すると注いでいる途中で気泡の塊が出てくることになり上手く注ぐことが出来ない場合があります。ガスの圧力を上げることによりある程度抑えることが出来ますが、空冷システムの場合ガス圧を弱くしているお店が多いので逆さまにしたほうが安全であることに変わりはありません。
このような台座も存在します。
台座が用意出来ない場合以下のようにする方もいらっしゃいます。
A.
A.
A.
〒239-0802
神奈川県横須賀市馬堀町1-28-24
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FAX 046-854-9416